一般皮膚科
一般皮膚科
皮膚病は皮膚におきる病的変化であり、実にたくさんの種類があります。
原因もさまざまで、外的因子によるもの、内的因子によるもの、加齢によるものなど、極めて多様です。なかにはまだ原因のつかめていない疾患も、しばしば存在します。
そのため、決定的な治療法が無く、根気よくつき合っていく必要のある慢性疾患も少なくありません。
しかし、適切なスキンケアと軟膏などによる外用療法、内服療法、生活習慣の見直し等を行うことによって、より良い状態を保つことができます。
皮膚科を受診される患者さまに、とても多く見られる症状です。ブツブツや小さな水疱、赤みなどが混ざって現れ、痒みも伴うことが多いです。
皮膚の一部が突然、蚊にさされたように盛り上がり、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。かゆみを伴うことが多く、たいていは数十分~1日以内に治まります。
アトピー性皮膚炎は、繰り返す慢性の湿疹と皮膚の乾燥が特徴的な皮膚疾患です。痒みが強いのですが、掻くとさらに悪化し、悪循環を招きますので、治療によって痒みを抑える必要があります。アレルギーを起こしやすい体質の方に出やすい傾向があります。食べ物、ダニ、ハウスダスト、汗、皮膚の乾燥、ストレスなどが悪化因子になることもあります。悪化因子を調べ、取り除くことも大切なことです。症状をコントロールするためには日頃のスキンケアも重要です。
ニキビは身近な皮膚疾患ですが、顔にできやすいため、気になる方が多いものです。
たこや魚の目は、足の特定の場所に継続的に圧力がかかって発症します。たこは皮膚の表面の角質が部分的に肥厚したもので、魚の目は肥厚した部分にさらに圧がかかって硬くなり、芯をもっています。どちらも歩く度に刺激されて痛みが走ることがあります。
また、足の裏によくできるのが足底疣贅(そくていゆうぜい)というイボの一種で、これを魚の目と勘違いすることがあります。しかし、これはイボウイルス性の腫瘍であり、知らずにいじっていると、かえって患部を広げてしまうことがありますので、この鑑別をきちんとつけるためにも、皮膚科への受診をお勧めします。
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が足の皮膚に入り込んで発症する疾患です。白癬菌の増えやすい、じめじめとした梅雨から夏に症状の悪化がよく見られるのが特徴で、足白癬は趾間型、小水疱型、角質増殖型に分類されます。趾間型は、足指の間の皮膚がふやけたように白く濁り、痒くなるのが特徴です。冬は症状が治まりますが、暖かくなると再発し、2次的に細菌感染を併発しやすいタイプです。
小水疱型は、土踏まずや足の縁などに小水疱が多発します。これも夏に悪化し、湿疹と間違えることもあります。
角質増殖型では、足の裏から縁にかけての広い範囲で皮膚が厚くなり、冬のほうが、乾燥でひび割れ等を起こしやすくなります。治療は病態に応じて、塗り薬や内服薬を使います。
単純ヘルペスウイルスの感染で起き、顔にできる1型と外陰部や臀部などの下半身にできる2型の2種類のウイルスがあり、初感染で口内や外陰部に発疹が生じた時は高熱と激痛が伴います。ヘルペスの治療としては、抗ウイルス剤の内服と外用を行います。発疹の出る前にチクチクするなどの予兆が出ることが多く、その時点で内服を始めると、治りが早まります。
しかし、単純ヘルペスウイルスは神経節に入って潜伏するため、薬で完全に除去することはできません。寝不足、疲労、風邪などによって免疫力が下がると増殖し、再発しがちです。
銀白色の鱗屑(りんせつ:皮膚の粉)を伴い、境界の明瞭な盛り上がった紅斑(赤い斑点)が全身に出ます。乾癬(かんせん)の患者さまの大半が、この症状です(尋常性乾癬)。
大きさ、数、形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を形成することもあります。できやすい部位は、慢性的かつ機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿などです。青壮年期に発症することが多く、多発しますが、通常、内臓を侵すことはありません。痒みは、約半数の患者さまに見られます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります(関節症性乾癬)。また、発疹が全身に及ぶこともあります(乾癬性紅皮症)。
乾癬は慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返し、患者さまの病気の程度、置かれた状況などに応じた様々な治療法を選択することになります。
水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって発症するため、水痘(みずぼうそう)を経験した人にのみ起こります。頭部から下肢までの間の片側の一定の神経支配領域に神経痛様の痛みを伴った小水疱が帯状に生じます。顔にできると目の障害、顔面神経麻痺、内耳の障害によるめまい・耳鳴り、などが起こることがまれにあります。
痛みに悩まされることが多く、帯状疱疹後神経痛として長い間痛みが残ってしまうことがあります。この痛みは治りにくく、それが大きな問題です。
帯状疱疹は、早く皮膚科を受診して早期に治すことが何よりも大切で、これにより帯状疱疹後神経痛の発症頻度を少なくすることが可能です。
巻き爪とは、足の指にある爪の両端の先端部が、大きく内側に湾曲した状態を言います。負担のかかりやすい親指の爪が巻き爪になることが多いのですが、その他の指の爪もなることがあります。
巻き爪が進行すると、肉の部分に曲がった爪がどんどん食い込み、次第に激しい痛みを引き起こすようになります(陥入爪:かんにゅうそう)。
さらに、曲がった爪に巻き込まれた皮膚が化膿してしまい、歩くことが困難になる場合さえあります。
また、巻き爪の痛みから足をかばおうと、いつもとは違った歩き方をしてしまうために、足首や膝、腰にも負担がかかり、捻挫や膝痛、腰痛の原因になるケースもあります。
当院では、テーピング法、形状記憶合金ワイヤーを用いた痛くない爪の矯正を行っています。